第171国会

財務金融委員会

○田中委員長  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。谷口隆義君。
○谷口委員  おはようございます。公明党の谷口隆義でございます。
 今、白川総裁の方から御報告があったわけでございますが、白川総裁御自身も先日、日銀内での会見があったときに、昨年第四・四半期におけるGDPまた鉱工業生産においては、がけから落ちるようなという比喩を使われるような状況であるというお話がありまして、私自身も垂直落下状態と。ある人は戦時に比較されるぐらいの大変な状況になっていると言う方もいらっしゃいます。
 それで、そういう状況の中であらゆる行い得ることをとっていかなければならないというように思っておるわけでありますが、この悪化のスピードというのは予想をはるかに上回る状況なんだろうと思います。それで、日銀では二〇〇九年の成長率を昨年十月末の時点での〇・六からマイナスの二%に下方改定をされたわけでございます。
 今聞いておりますと、白川総裁の方からは、企業支援等、今、日銀のとっている金融政策について御報告があったわけでございます。現況の経済金融状況についてお聞きしようと思いましたが、今若干触れられましたのでそのことは飛ばしまして、これは直接日銀じゃないんですが、昨日の日経新聞の夕刊を読みますと、次のG20の準備会合でガイトナー米国財務長官が、世界経済の回復のために各国がGDPの二%の規模で財政出動の協調を呼びかけようとされておられるようでございます。
 このような考え方について、まず、日銀総裁としての御所見をお伺いいたしたいと思います。
○白川参考人  お答えいたします。
 ただいまのガイトナー財務長官の提案という報道につきましては、その具体的な内容を承知しているわけではございませんので直接的なコメントは差し控えたいというふうに思いますけれども、一般論として申し上げさせていただきます。
 現在のようにゼロ金利に近く、金融システム面での緊張が強い局面では、大幅な有効需要の落ち込み、それがまさに現在直面している状況でございますけれども、そうした状況に対し、金融面からの対応だけでは限界があって、適切な財政政策の発動が必要であるということは、これは前回のローマのG7の声明にもあるとおりでございます。これは現在各国の共通の理解になっているというふうに思います。
 その際、同時に、財政の持続可能性を維持するために、中長期的な財政規律の確保が重要であること、また、財政の運営に当たっては長期的な経済成長に資するべきであるといった原則も各国で共有されております。私自身、ローマのG7に出まして、そうした議論を直接聞きましたし、それを踏まえた声明にも自分自身もサインをしているということでございます。
 こうした基本的な考え方のもとで、具体的な財政運営のあり方は、先ほども申し上げましたような基本原則に照らして、これは国民の選択として政府、国会において決定されるというものが私の考えでございます。
○谷口委員  今のことについては、日銀が直接担当しているわけじゃありませんから、見解をお伺いいたしたわけでありますが、今、総裁御自身が、CPだとか社債の買い入れは今回初めて行う、企業支援をあらゆる手段を講じてやっていくということをおっしゃったわけでございます。今、日銀は、私が見るところ、私の個人的な判断では、やっておられることは違和感がなくて、日銀として最大のことをやっていただいているんだろうと思います。
 後ほど、もう何点かの問題を出して、きめの細かい対応のことをお伺いいたしたいと思いますが、その前に、今おっしゃった、日銀としての現下の大変な金融経済状況の混乱の中でやっていらっしゃることと、FRBも、どうも状況を聞いておりますと、バランスシートが毀損するんじゃないか、その後かなり問題が出てくるんじゃないかと思われるような、あらゆる手段を講じて今やっている、また、欧州中央銀行、ECB、英国中央銀行、BOE、この欧米の中央銀行もあらゆる手段を講じて今やっておられるわけでございます。中央銀行間の国際的な連携を御協議されておられると思いますが、今そのような欧米の中央銀行と日銀のやっていらっしゃる金融政策との整合性といいますか、また違いといいますか、そういうことについてお話をお伺いいたしたいと思います。
○白川参考人  お答えいたします。
 現在の各国の金融政策に入ります前に、実は二〇〇三年に、日本銀行が量的緩和政策を始めまして、その過程で日本銀行はABCP、資産担保のCPを買い入れました。これは当時、中央銀行としては、世界の中央銀行で全く初めてのオペレーションで、開始した当時は非常に異例の政策を中央銀行がとったということで、海外から見ますと、これは日本の特殊なオペレーションであるという感じを多分持ったんだろうというふうに思います。ところが、今回、今谷口先生御指摘のとおり、いろいろな中央銀行がそうした領域に入っているということで、各国が今異例の政策をとっております。
 御質問の、ほかの中央銀行との比較で申し上げたいと思いますけれども、日本銀行を含め、今世界の主要国の中央銀行は、三つの柱で金融政策を運営しているというふうに整理ができると思います。
 一つは、政策金利の引き下げでございます。
 現在、各国とも政策金利を引き下げました結果、例えば、FRBは目標金利でゼロから〇・二五、ECBは一・五%、BOEは〇・五、それぞれ極めて低い水準になっております。日本銀行は、目標金利が〇・一%でございます。現実のオーバーナイトのレートは、日本銀行が〇・一、アメリカが〇・二五、イングランド銀行が〇・五等で、日本銀行が今一番低いということでございます。いずれにせよ、どの国も極めて低い、文学的に表現しますとゼロ金利とかいうような言葉で表現されますけれども、かなり低い水準に今各国が誘導しているということでございます。
 二つ目は、金融市場の安定維持でございます。これは必ずしも狭義の金融政策だけではなくて、いわゆる最後の貸し手として資金供給することや、あるいは通常のオペレーションで潤沢に資金供給を行うことも含まれております。
 この点については、御承知のとおりFRBは、幾つかの大きな金融機関の経営困難に直面して、システミックリスクを防ぐために最後の貸し手としての資金供給を行いました。イギリスも同様でございます。そうしたオペレーションを今各国は行っております。
 日本銀行でございますけれども、幸い、個別金融機関に対して最後の貸し手機能を発揮しないといけないという状況ではございません。しかし、その他の面、すなわち適格担保の範囲拡大、あるいは年度末、年度越え資金の積極的な資金供給、あるいは長期国債買い入れを使っての資金供給、さらには金融機関保有の株式買い入れなどを行っておりまして、これはいずれも金融市場、金融システムの安定ということを強く意識した措置でございます。
 三つ目は、金融市場の機能が低下し、企業金融が全体として逼迫しているときに、その金融市場に対して中央銀行が働きかけるという政策でございます。
 これも、今御指摘のとおり、幾つかの中央銀行が採用しています。FRBは、いわゆる信用緩和、クレジットイージングという言葉で呼んでおりますけれども、コマーシャルペーパー、住宅モーゲージを組み込んだ証券化商品の買い入れを行っています。今月からは、自動車ローンあるいはスチューデントローンだとか、いろいろな証券化商品を組み込んだABSの買い入れも行うということでございます。日本銀行も、CP、社債の買い入れを行っている、あるいは先ほども御紹介しました企業金融支援特別オペを行っているということでございます。
 以上、長々申し上げましたけれども、私の印象として申し上げますと、まず、この三つの柱で点検した場合に、各国の中央銀行の行っている政策は非常に似ているという感じがいたします。もちろん、子細に見ますと若干異なっております。その違いはどこから来ているかといいますと、一つは、現実の金融機関あるいは金融市場の傷み方の違い、これがやはり大きいなというふうに思います。アメリカの状況、これは金融市場、金融システムの面ではやはり一番厳しい状況で、そうしたことを反映しているという感じがいたします。
 それから、先ほどFRBのバランスシートについて若干御懸念を表明されましたけれども、実はFRBの場合、確かに業務的にはFRBが買い入れを行うということを行っておりますけれども、先ほど申し上げたABSの買い入れ、これは総額一兆ドルという巨額の金額でございますけれども、そのうち、ロスが発生した場合最初の千億ドルは、TARPというこの前通りましたアメリカの法律を使って政府が損失を負担するというスキームでございまして、直接FRBの財務面に影響が及ばないような、そういう仕組みをとっているということでございます。
 若干の違いはございますけれども、いずれにせよ、どの中央銀行も現在の厳しい経済、金融の状況を踏まえて、先ほど申し上げたような柱に沿って政策をやっているというふうに理解しております。
○谷口委員  連携をとりながら各国中央銀行間でやっていらっしゃるんだろうと思います。
 ちょっと個別の問題になるのですが、日銀が今やっていらっしゃる企業支援ですね。企業の資金繰り対策の一環として、先ほど総裁御自身がおっしゃったように、異例の措置として、二月の金融政策決定会合で初めて社債の買い入れを決めた。それで、総額一兆円を限度に銀行、証券会社から買い取る計画のようでございますが、三月四日に初めて入札が行われたということで、千五百億円の買い取り予定で四百四十九億円というような応札があったようで、いわば札割れになったわけであります。
 この札割れについて、市場関係者は、非常に日銀の条件が厳し過ぎるのではないかというようなことで、もし仮に日銀の条件が厳し過ぎるようであれば、本来、企業経営をやっていらっしゃるところが資金調達が大変困難な状況を見て日銀はそういう措置をとられたんだろうと思いますので、その目的を達せられないということにもなるわけであります。ですから、いわば少々のリスクを乗り越えてもやっていかなければならない、それが企業支援だということになるんだろうと思いますが、そのことについて総裁の御意見をお伺いいたしたいと思います。
○白川参考人  最初に、社債の買い入れにつきまして、先生御指摘のとおり、三月四日に実施しました初回の社債の買い入れにおきましては、応札金額が少なかったわけでございます。その背景としましては、オペ対象先における買い入れ対象社債の保有金額が少な目であったことや、初回の買い入れなので様子を見た先もあったということが挙げられるというふうに思います。
 今先生御指摘の点の繰り返しになって恐縮でございますけれども、今回社債の買い入れを行うということは、もちろん企業金融の支援を行うというために行っているものでございます。その際、企業の信用リスクを直接負担するという異例の措置であるため、買い入れの実施に当たっては、通貨に対する信認の確保、これはこれでまた大事なことでございます。そうした観点から、信用リスクを適切に管理することも重要であるというふうに考えています。先ほど申し上げたFRBのケースも、これはアメリカなりにやはりそういうことを配慮したということであると思います。
 今回の日本銀行のケースに即して申し上げますと、これは買い入れということですから、適格担保の基準よりも要件を一段階厳しくしていまして、シングルA格相当以上というふうにしております。また、流動性供給という中央銀行の機能を踏まえた対応として、残存期間一年以内の銘柄を買い入れ対象としております。こうした要件がありますために、今後も買い入れ金額そのものは確かに大きくならない可能性があるというふうに認識しております。
 そういうことを申し上げた上でなんですけれども、日本銀行のねらいは、社債市場における資金仲介機能を日本銀行自体が大規模に肩がわりしていくということではありませんで、あくまでも、証券会社や投資家が必要な場合に日本銀行に保有社債をいつでも売却できるという安心感をつくり出し、市場における社債売買を促す効果や金融機関の貸し出し余力などを拡大する効果を通じて企業金融全体の円滑化に寄与することをねらった、そういう措置でございます。私の思いとしては、日本銀行が企業金融を支えるときに幾つかのパーツがあって、そのパーツ全体として何とか企業金融を支援したいという思いでございます。
 CPオペにつきましては、これは発表し、実際に買い入れを行いました後、CP市場が明確に状況が改善してきております。
 それから、銀行の貸し出しについても、これはいろいろな意味でまだまだ問題があることも十分認識しておりますけれども、実は欧米では、足元、貸し出しの伸び率が今急速に低下しておりますけれども、日本は、実は秋以降、貸し出し伸び率が逆に上がってきておる。つまり、欧米のように貸し出しを急激に落とすということにはならない状況で何とか今できておる。ただ、これは決して安心しているわけではございませんけれども。
 それから、担保の緩和、あるいはそうしたことも踏まえて、一定の企業債務を持ち込めば無制限で資金供給をするというオペ、これもじわじわと効果を発揮してきたというふうに思っています。
 私も、これは決して一個一個のパートで十分だというふうに思っているわけではございませんけれども、しかし、全体として何とか企業金融を円滑にしていきたい、これからもまた必要な点検を行っていきたいと思っています。
○谷口委員  今総裁がおっしゃったように、CPのオペは非常に効果が出ておるようでございます。ところが、今申し上げた社債は、条件が厳しいということで、そのことについてお答えがなかったんですが、その条件を緩和しようということも念頭に持っていらっしゃるんでしょうか。
○白川参考人  社債の買いオペは、これは月一回という形でスタートしまして、先般、第一回を行いました。まだ社債のオペは始めたばかりでございますので、現時点で今これを見直す考えがあるかというお尋ねですと、現時点でその考えはございません。
 ただ、先ほども申し上げましたけれども、最終的に必要なことは、企業金融をどうやって円滑化するか。そのためにどういう方法が一番有効であるかということはやはり常に考えておりまして、その意味では、これからも検討し、必要があれば必要な措置を日本銀行として講じていきたいというふうに思っています。
○谷口委員  市場の状況をよく見ていらっしゃると思いますが、金融市場の安定ということも大きな目的の一つでございますから、金融市場または企業資金調達、こういうことも念頭に入れていただいて、機動的にやっていただければというように思います。
 その次は、先日、預金保険機構主催の会合のあいさつの中で白川総裁がおっしゃったことがあって、これは、失われた十年というのがありますよね、あの失われた十年の原因の一つに会計またディスクロージャーの不備を挙げていらっしゃるわけですね。今回のグローバル金融危機においては格段にこれが整備されているというようにおっしゃっておられます。しかしこの中で、しかし、市場流動性が極端に細った複雑な金融商品の評価のあり方、またオフバランスビークルの扱いなど、新たな課題が生じておるということをおっしゃっておられるわけです。
 これを敷衍したところの議論は、時価会計のあり方について、世界的に今ございます。これをよく理解されていない方は、株も含めて時価会計のあり方を議論していると思っている方が多いんですが、これはそうではなくて、商いのないような債券を中心とした議論なんですが、日本でも時価評価が一部修正されて、今私が申し上げた市場流動性が極端に細った複雑な金融商品の評価のあり方については、従来と異なる方法に変えようということになったわけです。
 こういうことで、今度は実態的なことですが、二月二十三日に初めて変動利付債を日銀は買い取りの対象として実施をされたわけでございます。私がお尋ねしたいのは、会計基準が変更したからこのような変動利付債を買われるということに至ったのか。もっと言うと、本質的な問題で、変動利付債そのものが持っているリスク、不安定さ、このようなことをかんがみられた結果、買い取ろうということにされたのか。そのあたりの状況をお伺いいたしたいと思います。
○白川参考人  お答えいたします。
 多少技術的な話が多くなって恐縮でございますけれども、昨年十二月に十五年変動利付国債を、物価連動国債それから三十年国債とともに国債買い入れの対象として追加することを決定いたしました。その上で、二月に買い入れを行ったということでございます。
 これの目的でございますけれども、これはあくまでも円滑な資金供給を実施する観点から、短期の資金供給オペレーションだけでやっていますとどうしても負担がかかりますから、長目の資金供給となる長期国債の買い入れを拡充するということ、その買い入れの増額に合わせてこれを決定したものでございます。その際、十五年の変動利付国債を追加することになったことでございますけれども、これは従来、日本銀行の国債の買いオペは市場の発展の状況に応じて範囲を拡大してきた、そういう歴史がございます。今回もそういう流れに沿っておるわけです。
 もう少し具体的に申し上げますと、市場中立性、つまり、日本銀行の国債買いオペというものがある国債は買うけれどもある国債は買わないという立場では、どうしてもそれは中立性を阻害していきますから、一般論としては中立的に買った方がいいということでございます。それから、変動利付国債の発行残高、これも一つの要素になってまいります。余り少ないマーケットに日本銀行が入っていきますと、これは池の中の鯨になってしまいますから、やはりある程度規模がないといけない。その点、規模もある程度大きくなってきたということでございます。そうした観点から、従来と同じ考え方に立ちまして、この変動利付国債も買い入れ対象にすることが適当だというふうに判断したものでございます。
 したがいまして、これはあくまでも金融調節ということでございまして、先ほど御指摘になりました時価会計との関係であるとか、あるいはこの金融商品自体にリスクがあるから、したがってこの際中央銀行が買った方がいいという、そういうふうな考え方ではありません。あくまでも金融調節の一環であり、国債市場に対して先ほど申し上げた観点で、これは対象とした方がいいという判断でございます。
○谷口委員  市場では、そういうように変動利付債が評価損を計上しなくてもよくなったというようなことで日銀が買い入れ対象に入れたのではないかというように言っている方がおられるわけです。今総裁は、そうではないというような御答弁だったんですね。
 その次に、きょう財務省に来ていただいていると思いますが、財務省にちょっとお伺いしたいんです。
 財務省発表の二月の投資家部門別対外証券投資において、銀行部門で三兆九千億余りの大幅な買い越しとなっておるわけであります。リーマン・ショックのあった昨年の九月から本年一月まで五カ月間の買い越し額が、五カ月間の累計で二兆一千億余りでございますが、そういう意味では、この二月というのは外貨投資が非常に際立っているわけですね。それで、市場関係者の中では、ドルのインターバンク市場が十分機能していないのではないか、そういうことがあるので担保用の米国債を手当てしておるのではないかと言う市場関係者もおられるわけであります。
 それで、この周辺の背景の話をします。日銀も今、ドル資金を供給するのに大変一生懸命やっていらっしゃると聞いておりますが、日本における外銀のバランスシート圧縮がかなり進んでいる。このまま進めば、その外銀からドル資金を調達しておった邦銀の資金調達が困難になってくる。邦銀のドル資産が圧縮されるということになりますと、米国債などのドル資産の長期金利を押し上げるという要因にもなりかねない。在日の外銀の総資産残高は、一月末現在で約三十八兆円、昨年一月には約五十二兆円であったということで、この一年間で十四兆円程度のバランスシート調整が行われているというような状況なわけですね。
 それで、この二月の特別大きな、大幅な買い越しになったというのは、一体原因はどこにあると財務省は考えておられるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○玉木政府参考人  財務省で指定報告金融機関ベースでとっております対外及び対内証券売買契約等の状況、二月の居住者による対外投資でございますけれども、三兆九千億の買い越し、うち、中でも中長期債投資の買い越し額がネットで三兆五千五百九十一億円、特に銀行部門が三兆六千五百四十億円の買い越しということになっております。
 こうした銀行部門の、特に中長期債の買い越しというのは、当然のことながら、個々の銀行の投資判断ということになるわけでございますけれども、一般的な背景としては、昨年秋以降の金融危機に対応して欧米が政策金利を引き下げていく中で、債券金利の一層の低下を見込んだ銀行が欧米の国債を中心とした債券を買い増していく、こうした傾向があったものと考えております。
 銀行部門は、昨年九月以降、連続して中長期債の買い越しとなっております。二月はこうした市場を取り巻く環境に大きな変化はないと考えておりますが、御指摘のとおり、買い越し額が二月に一段と膨らんでおります。特に、多額の買い越しをした銀行があったものと承知しております。
○谷口委員  この多額の買い越しをしておる金融機関が一体どこなのかというのは市場関係者の間で今いろいろうわさになっておって、これは、きょう具体個別の名前を言う予定はなかったんですけれども、例えば農中だとかゆうちょ銀行がやっているんじゃないかと。だから、財務省が直接資金介入するということではなくて、そういうようなことをそのような機関を通じてやっておるんじゃないかということを市場で言われておりますけれども、財務省、どうでしょうか。
○玉木政府参考人  私ども、統計をとる際に若干の銀行からはヒアリングをしておりますけれども、個別の銀行の投資動向についてはコメントするのは差し控えさせていただきたいと思います。
○谷口委員  要するに、そういう意味では、今申し上げたのはこのところの異常な金融状況の兆しなんですね、いろいろ金融市場が振れていますので。もうほとんどドルが外銀から調達できないというところもあるので、どうも聞くと、円投をして米国債を買っていこう、それで何かあったときにそれを売ってドルを調達したらいいわというようなことさえ考えてやっているというような市場関係者もいるわけです。
 今のところは、日銀はFRBとドルのスワップ等々行われて多額の資金を市場に供給しておりますので、そういう意味では私は何ら問題はないと思っておりますが、そういう刻々と変わる、冒頭お話をさせていただきましたように、まさに垂直落下状態で、がけから落ちるといったような状況に今なっておるわけでございますので、先ほどの総裁のお話のように、各国中央銀行はあらゆる手段を講じてやっているということですから、手段が商品を並べるだけではなくて、これは効果的なことをやっていかなきゃなりません。
 先ほど、社債の買い入れのときに、社債の買い入れもやるよというところで終わってしまえば余りよくないんだろうと僕は思うんです。ですから、少々中に踏み込んでも、一定程度のリスクを持っても、そのくらいやるよということを市場にメッセージを送ることも非常に重要でありますので、先ほどの問題ですけれども、社債の条件緩和等も念頭に入れてやっていただければと思う次第でございます。
 時間が参りましたので、これで終わらせていただきたいと思います。