| ○赤松委員長 | 次に、谷口隆義君。 |
| ○谷口委員 |
公明党の谷口隆義でございます。 きょうは、まず初めに、今回の改正放送法で何点か論点があったわけです、その論点のうちの一つが、ガバナンス、コンプライアンスについてどう考えるのかということがあったわけでございます。先ほどから鳩山大臣もおっしゃっておられるように、NHKの公共放送としての立場というのは非常に重要でございます。しかし、職員の不祥事であるとか、組織の監視が十分でなかったというようなところもあったんだろうと思います。そこで、経営委員会と執行部の関係についてお伺いをさせていただきたいと思うわけでございます。 この経営委員会というのは、NHKの経営方針、業務の運営に関する重要事項を決定する最高意思決定機関であり、視聴者の代表として執行部の業務について監視、監督する役割である、こういうようなことでございます。 それで、平たく言うと、これはやはり執行部と経営委員会との間の緊張感が非常に重要なんだろうと思うんです。この緊張感というのはなかなか言葉で言いあらわせなくて、いろいろなところで、組織であればこのガバナンスについて悩んでおるところでございます。 先ほど聞いておりますと、福地会長はNHKに来られたときに縦軸の組織が強過ぎると感じたというようなことをおっしゃったわけでありますけれども、このような観点で、今回のこの改正放送法の結果、今実施されておるNHK内の組織について、経営委員会と執行部との間の距離感といいますか、これはどのような感覚をお持ちなのかということを大臣と小丸経営委員長にお伺いをいたしたいと思います。 |
| ○鳩山国務大臣 |
昨年四月に施行された放送法改正で、経営委員会と執行部の関係について整理された。要するに、経営委員会は経営の意思決定である、執行部の方は業務の執行である、そういう関係が明確になったものと思っております。 今回の二十一、二十二、二十三年の三年間の経営計画について、私も報道で知ったことがほとんどでございますけれども、さまざまな議論が行われたことは、私は、経営委員会があるべき姿を示した一つだろうというふうに思います。いわゆる癒着とかずぶずぶとかべったりとか一体だという関係は、私は、経営委員会と執行部の正しい関係ではない、こう思っております。 したがって、今後とも、いわゆる争うとか闘うというのは困るわけで、適度な緊張感のもとでNHKの経営改革の実現、もちろん、地デジの問題もありますし、公共放送としての使命の問題もありますが、それぞれの役割を果たされていく中でそうした目的が達成されていくことを願っております。 |
| ○小丸参考人 |
NHKの経営方針その他重要事項を決定するとともに、役員の業務執行の監督を行う権限と役割を持つ経営委員会と、NHKの業務執行という役割を持つ執行部は、公共放送の発展のため、緊張感を持ちつつ互いに連携協力し、それぞれの職責を十全に果たしております。 平成二十一年度からの三カ年計画の実行に当たっても、経営委員会として、監督に資するため、適宜、重要と思われる項目について執行部から説明を聴取するなどの勉強会を開いております。 今後は、これに加え、執行部から提出される四半期業務報告などを分析して計画の進捗を確認するなど、経営委員会と執行部が協力しながら計画目標の達成に向けて取り組んでいくことにしております。 |
| ○谷口委員 | それで、次にお伺いをいたしたいのは、今、経営委員会の中に、先ほど井原委員が来られて答弁されていましたが、監査委員会というのがありますね。この監査委員会というのは業務監査をやられるんだろうと思うんです。それで、外部監査も入っておられるようでございますので、会計監査と業務監査という立場でやっていらっしゃるんだろうと思いますが、経営委員会の内部に監査委員会が設けられているということで、この監査委員会の独立性といいますか、このあたりの問題はないのかどうかということをお伺いいたしたいと思います、小丸委員長に。 |
| ○小丸参考人 |
お答えします。 監査委員は経営委員の中から任命されていますが、組織上は経営委員会と監査委員会は独立したものとなっています。また、それぞれの業務を補佐するために、それぞれの事務局が置かれております。その上で、経営委員会は監査委員会を含めた役員の職務の執行の監督を、監査委員会は経営委員会を含めた役員の職務の執行の監査を行うことになっております。 実際の業務遂行に当たっても、放送法の趣旨にのっとり、それぞれがみずからの役割をきちんと果たしており、独立性には問題はないと思います。 以上でございます。 |
| ○谷口委員 |
組織的に申しますと、経営委員会のメンバーの経営委員の方が監査を担当されているということでございますので、このあたりの運用が非常に重要だと思います。しっかりとそのあたりの区分けといいますか、やっていただければというように思う次第でございます。 それと、この経営委員会におきましては、昨年の十二月に、三名が任期満了で、国会同意人事で、新たな人選をされたものを出したら、これが否決をされた。それで、その後、出したメンバーが同意されて、三月には着任されたと聞いております。ところが、この二カ月間ほどは欠員のまま経営委員会が運営されておったというようなことを聞いておるわけでありますが、この間のガバナンス機能、欠員状況の中でのガバナンス機能が十分発揮されたのかどうか。これは今後も起こり得る問題でございますので、そのことをお伺いいたしたいと思います。 |
| ○小丸参考人 |
三名の方が欠員となっていた間は経営委員九人ではありましたが、経営委員会としての役割に支障が生じないように特に留意をし、平成二十一年度予算、事業計画の議決など、みずからの権限を適正に行使してまいりました。しかし、一方で、常勤の経営委員が皆無になったこと、人数が少なくなったことにより意見の多様性が狭まったことなど、若干の問題はあったのではないかと考えております。 三月には十二名の体制となりましたので、新年度からの三カ年計画の遂行に向け、さらにガバナンス機能を発揮していきたいと考えております。 以上でございます。 |
| ○谷口委員 |
今、若干の問題があったかもわからないということでした。やはり、国会同意人事でございますので、否決されることもその前提に置いておかなければならない。その際にどういうような十分なガバナンス機能を発揮していくのかということは大変重要な問題でございますので、また私どもも考えたいと思いますが、NHKにおかれましても、そのことを考えていただければというように思います。 それと、従来から私が一つの問題意識として持っておりましたNHKのグループ全体の配当政策というものがございます。NHKの本体があって、それで今現在では、子会社、関係会社、関連公益法人というのが三十二社あるようでございますが、NHKの本体の方が今財政的に大変厳しいわけですね、デジタル化にも対応していかなければなりませんから。周りの子会社のグループのところを見せていただきますと、かなり剰余金がありまして、いいところばかりなんですね。ですから、NHK本体に対する配当をもっとしてもらったらどうかということを従来から申し上げております。 それで、最近の状況を見ますと、利益剰余金、これは一般的には配当可能なところでありますけれども、十八年度で七百四十四億円、十九年度が七百六十七億円、こういうような状況でございます。それで、二十年度の六月には、過去最大規模でありますけれども、配当されていらっしゃるわけです。最近、NHKも大変精力的にこのことを認識していただきまして、七十三億円の配当を実施したと。このうち、NHK本体には五十三億円の配当が行われたと聞いております。これは私は大変評価をするところでございます。 先ほど申し上げましたように、二〇一一年の七月二十四日の完全デジタル化を目指しておりますから、そのためにも、NHKにも頑張っていただかなければなりませんので、そういうことは大変評価するところでありますが、一方で、NHK本体というか、当局は子会社の配当可能原資というのは大体四十億円程度だと見ていらっしゃるようでございますが、この四十億円という根拠が明らかではありませんので、会長の方からこのことについて教えていただきたいと思います。 |
| ○福地参考人 |
平成二十年度に総額七十三億円を配当いたしました残りの子会社の利益剰余金は、六百八十九億円でございます。御承知のように、利益剰余金には、テキストや書籍などの在庫、あるいは中継車などの資材、機材、それから入居しておりますビルなどの資産、日常の支払いに必要な現金など、事業運営をしていく上で必要不可欠な資本が含まれております。これを差し引いた、配当や新規事業への投資に充てることのできる処分可能な利益剰余金としては、およそ八十億円というふうに見込んでおります。 それで、処分可能な八十億円のうち、今後のグループ再編あるいは統合のための会社の株式の買い取りでございますとか、あるいはデジタル化などの新規事業に必要な資金として約四十億円程度は今必要であるというふうに見込んでおります。 したがって、配当に充てられる原資としては差し引き四十億円程度というふうに試算をいたしております。 |
| ○谷口委員 | それでは、十八年度と十九年度を私がいただいた資料で比較してみますと、十九年に、利益剰余金の中で事業維持積立金という、これは目的積立金なんでしょうね、こういう積立金を積んでいらっしゃるわけです。子会社二十社トータルで五百十六億円事業維持積立金が計上された結果、利益剰余金が百九十三億円ということになって、前年の七百億円余りから比べると五百億円ほど、要するに配当する原資を圧縮したみたいな形に見えるわけですね。このことについてはどうですか。 |
| ○福地参考人 |
NHKの子会社は、いずれもそうでございますけれども、一般的に資本金が小さくて、繰越利益剰余金のすべてを配当に充てると、実際に事業が立ち行かなくなることも想定されます。このために、安定的な事業運営をしていく上で必要不可欠な固定資産でありますとか運転資金等を切り出しまして、資本金に準ずる位置づけとして事業維持積立金を設定いたしまして、これによりまして配当や新規事業に投資可能な利益剰余金とは区分をいたしております。 この事業維持積立金は、厳密には目的を持った積立金とは性格を異にしておりますが、会社を維持運営していく上で必要不可欠な内部留保というふうに位置づけております。 以上でございます。 |
| ○谷口委員 |
私が見たところによると、もう少し配当に回せるところがあるんだろうと思うんですね。そこを一度検討していただきまして、本体も大変要るようなときでございますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。 それで、先ほどから出ております、二〇一一年七月二十四日完全デジタル化を目指して、政府も、またNHKも民放連も関係団体も非常に精力的に進めておるところでございます。それでNHKさんにお伺いをいたしたいわけでありますが、NHKも国の取り組みに協力するとともに、デジタル化改修を行う自主共聴に対して、安定的、継続的な設備整備、維持に必要な経費の一部を助成する制度を設けたと。この自主共聴というのは、地域住民が自主的に設置した共同受信施設のことですね。本来、自主共聴のデジタル化対応までNHKが助成する必要がないという意見もある。しかし一方で、放送法第九条であまねく全国で受信ができるようにと、あまねく規定といいますが、こういう規定もあってNHKの助成を期待しているところもある。 こういう状況の中で、今回、二十一年度の予算案は赤字になりましたね。この赤字になった大きな原因は、これはやはりデジタル化対応ということが大きな原因だ、こういうことでありますが、NHKに対して、中継局整備、また共同受診施設のデジタル化対応、条件不利地域に対する取り組み、このようなことについてお伺いをいたしたいと思います。 |
| ○福地参考人 |
御指摘のとおり、NHKは、公共放送としてあまねく義務を果たすために、デジタル中継局の整備でございますとか、あるいはNHK共聴のデジタル改修を今進めております。さらに、自主共聴につきましても、デジタル放送の普及を効率的かつ短期的に推進するために助成を行うことにしたものでございます。 今後も、辺地などにおいて、地元の自治体や民放と提携しながら、連携しながら、八月までに全国地上デジタル放送推進協議会で難視聴解消に向けた今後の対処方針であります地デジ難視地区対策計画を策定することになっておりまして、NHKはこの方針にのっとって対応していきたいと考えております。 |
| ○谷口委員 |
自公の与党においても、何としても二〇一一年七月までにやり遂げなきゃいけないということで、NHKの受信料免除世帯を中心にして、生活困窮者の皆さんにはチューナー、アンテナ等をつけさせていただくという方針を決めたところでございます。 それで、もう三年を切りましたので、いよいよ、いろいろな実務的な問題も表面的になってきておるわけでございます。NHKも大変御努力をしてやっていただいておるわけでございますが、先ほどの自主共聴施設等々の問題も、助成金を出されるということでございますので、周辺の状況をよく見きわめて頑張っていただければということを申し上げまして、時間が参りましたので、これで終わらせていただきます。 |