第171国会

総務委員会

○赤松委員長  休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。谷口隆義君。
○谷口委員  公明党の谷口隆義でございます。
 きょうは、質問の順番を変えてもらうのに、関先生、橋本先生、申しわけありませんでした。
 私の方からは、二十分しか時間がありませんが、大臣においでいただいておりますので、大臣中心にお話をお伺いいたしたいと思いますが、午前中の審議の中でも公立病院改革について言及されておりました。
 公立病院は、地域医療の核を担って非常に重要な立場にあるわけでございます。しかし一方で、医者不足、特に小児科、産科等の医者不足、また、過疎が進んでおりますので、地方の公立病院は経営上も大変厳しい状態にある。診療報酬もマイナスでありますし、そもそも地方団体の財政状況が非常に悪いというような状況があるわけであります。
 新聞報道によりますと、関東一都六県の公立病院の半数以上が自治体の直営方式の見直しを検討しておるというような報道がございました。自治体の方は、一つは非公務員型の地方独立行政法人化をしようとか、指定管理者制度を利用した民間医療法人への運営委託だとか、また公務員型の地方独立行政法人への移行だとか、こんなことを検討されておられるようでございます。
 そんな中で、政府の方も、この問題は非常に重要でございますので、二十一年度以降、地方交付税の措置総額、現行二十年度では二千九百三十億円でありましたけれども、これを七百億ほど増額したということなんですが、私自身が思うところは、やはりこれは財政が非常に厳しいという、財政の当面の手当てである。ですから、もっと抜本的な対応をしていかなければならないのではないかと思っているんです。
 それで、きょうの日経新聞の朝刊に、厚生労働省が今進めておる地域の中核となる民間病院の育成策を固めておる、公共性の高い民間病院を社会医療法人として税制上の恩典を与えようと、もう既に二十年度の税制改正で法人税の減額であるとか、また、二十一年度、これから出します地方税の中に、このようなところの固定資産税、都市計画税、不動産取得税を非課税にしようというようなところも入っておるわけでございます。
 これは、厚生労働省が中心となりまして、認定要件が大変厳しいんですが、認定されると一般の民間医療法人より、先ほど申し上げた法人税だとか、今審議の対象となっております地方税の税目だとかが非課税になるということであります。
 こういう状況の中で、財政、七百億ほどふやしたわけですが、この公立病院の運営に対して抜本的に変えていかなきゃいかぬ、非常に答弁は難しいんだろうと思いますが、一つの方向性として大臣がどのようにお考えなのか、お伺いいたしたいと思います。
○鳩山国務大臣  厚労大臣ではありませんので、余り正確なことはお答えできないことはお許しいただきたいと思います。
 私は、谷口先生のお話を聞いて、まず第一に思うことは、国民皆保険という制度の中で、これは世界的にはまれな制度だと思いますから、どこでもある一定以上の医療を受けることができる、それはプライマリーケアから二次、三次とあるんだと思います。そのことが大事でありますから、全国的に適当な配置がなされていなければならない。それを民間がやったっておかしくはないわけですから、公と民との間でうまく配分されても構わないわけで、そういう民間の病院に税法上の特典等を与えるのは正しい姿だと思っております。
 ただ、そういう前提のもとで申し上げれば、一千余りあるかと思われる公立病院は、もともとが不採算地域、あるいは不採算になりがちな救急医療とか産科、小児科とか、そうしたものを多くやらされてきている。あるいは、その地域で、いわば僻地ということでしょうが、そこ一個しかないというような状態で、患者さんがさほど多くなくても存在しなければならなかった公立病院というのも数多くあるだろう。
 やはり、公立ゆえの宿命というのか、公立ゆえの責任というものがそこにあったわけですから、経営の効率性という意味でいえば民間よりもはるかに不利である。したがって、一般会計から繰り出してそれを助けるということは当然やらなければいけないことでございますので、今回、七百億円ばかり増額して三千六百億円ぐらいが地方財政計画に盛り込まれたところでございます。
 ただ、問題は、私の決して詳しくない厚労省的分野、つまり医師不足あるいは診療報酬という問題も経営破綻しやすい要素となっておりますから、その部分も同時に解決をしなければならない、こう思っておりますが、基本的には、公立病院の民間病院と違った特殊性に着目をして、できる限り経営が成り立つように総務省としては全力で応援をしたい、こう考えております。
 なお、指定管理者制度というような形で運営されるようになった公設民営の病院もあります。夕張もそうだったと思いますが、これは本筋だとは思いません。
○谷口委員  冒頭私申し上げましたように、いろいろアンケートをとると、今大臣おっしゃったような指定管理者制度を利用した民間委託の公立病院みたいなものもやりたいという自治体もたくさんあるようでございますが、大臣がおっしゃるように、やはりここは少々の財政的負担を国が担ってもやらなきゃいかないところもある。公立病院が担っている役割というのは非常に、パブリックなところを担っておるわけでありますので、私は、今の大臣の答弁はそのとおりだというように思う次第でございます。非常に難しい問題であります。ただ、経営が成り立たなくなったら大変ですから、そういうことでよろしくお願い申し上げたいと思います。
 今度は、地方公共団体財政健全化法についてお伺いをいたしたいと思います。
 本会議の質問でも若干このことを言及しましたけれども、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率また将来負担比率、この四つの指標をもって、そもそもこの制度そのものが、レッドカードを出す前にイエローカードを出そう、地方団体の財政に問題がある、そういう傾向があるといった場合には、その中間段階で出していこうという早期是正措置になるわけでありますが、このトライアルとして、十九年度決算に関して、昨年の十一月に公表されました。
 この状況を見ますと、実質赤字比率が早期健全化比率を上回る団体が二団体、このうち一団体は再生基準を上回っている。連結実質赤字比率でいいますと、早期健全化比率を上回る団体が十一団体、このうち二団体は再生基準を上回っている。実質公債費比率は、三十三団体が早期健全化比率を上回っている、このうち二団体が再生基準を上回っている。また、将来負担比率で上回っているのは、これはもう早期健全化比率だけですから、将来負担比率は五団体が早期健全化比率を上回っている、こういうような状況であったわけでございます。
 これは、先ほど私が申し上げました早期是正措置という意味もありますが、余りこれを厳しくやると、一方で行政サービスが低下するんじゃないか、このような懸念を持っていらっしゃる方もおられるわけでございます。このような懸念も念頭に入れていただいて、この四つの指標をトライアルとして十九年度決算で出したんです。
 本年の三月末の会計年度からいよいよ全面施行です。ことしの秋にはこれが出されるわけでありますが、そういう意味で、地方団体は、今回、連結でもありますし、また第三セクターもこの中に入るわけです。将来負担比率というのは第三セクターも入るわけで、この三月までに何とか地方団体も処理すべきものは処理しなきゃいかぬということでやっておるわけでございますが、大臣に、このような懸念も含めて、今回のこの四つの指標について御見解を、また評価をお伺いいたしたいと思います。
○鳩山国務大臣  谷口先生御指摘のとおりの数字でございまして、トライアル段階で計算をしますと、財政再生基準以上というのが、実質赤字比率も連結実質赤字比率も実質公債費比率も出てくるわけで、将来負担比率を含めて、早期健全化しなければいけないところがかなり多くの自治体になってくるわけでございます。
 これは、いよいよ四月から本格実施する中で、それに間に合わせるように早期健全化基準等をクリアできるように各団体が努力をしていることと思います。確かに、地方自治体の財政が破綻しては困るわけでありますから、このような法律を施行いたしますが、この基準があるがために無理をして行政サービスを落とすというようなことが本来は余りあってほしくない。そう思いますと、地方自治体に対する別の面での援助策というものが十分とられなければいけないだろう。まずそう思います。
 それから、将来負担比率というのがあって、将来負担が四〇〇%ぐらいになって初めて、これは基本的な財政規模の四〇〇%という意味だと思いますが、早期健全化基準になる。
 たしか新聞で見たんですが、東京都二十三区のうち二十一区は、将来負担比率を出すとプラスだというわけですね。つまり、利益の方が残る。ですから、千八百幾つかの自治体で、本当にこの財政状況というのは違うんだと、その違いの大きさに驚くばかりでございますので、この法律は施行いたしますが、もちろん早期健全化というふうになる団体もあるかもしれませんし、それは夕張市の場合は財政再生の基準にひっかかってくるとは思いますけれども、すべての自治体に対して、総務省としては、ありとあらゆる意味で全力で支援をしていくということをまず第一にして、基準は本来はあくまでも参考なんだという気持ちで地方行政に取り組むのが正しい姿だと思います。
○谷口委員  第三セクターだとか、塩漬けの土地を持っている土地公社だとか、こういうところの処理に大変困っている地方団体が多いわけですね。ですから、今度もその処理に対して国の支援というのですか、そういうこともあるようなことを聞いておりますが、この財政健全化法が浸透して、財政状況がつまびらかになるということは非常にいいことでございます。しかし一方で、急激にやりますとそういう副作用があるというようなことも踏まえてやっていただきたいと思います。
 それで、これも前に申し上げた、地方公会計というのがあるんですね。大臣、地方公会計とはどんなものなのか、簡単に言っていただけませんか。
○鳩山国務大臣  私は先生のような専門家と違って、そういうのは不得意でございますが、早い話が、公会計というのは、フローだけで、その一年間のフローの赤字黒字だけを判断するのではなくて、ストックも合わせていろいろな財務諸表をつくって、その企業あるいはその団体の健全性というのか、状況を判定することだと把握しております。
○谷口委員  大臣のおっしゃるとおりなんですが、ただ、国の会計また地方の会計というのは、いわば大福帳的会計なんですね、簡単に申しますと、現金の出入りだけやってあって。民間会計は発生主義に基づいてやっているわけです。そういうような民間会計の考え方をやはり入れていこうというのが地方公会計の一つのポイントでございます。
 例えば、ある団体がその年度の会計を集約したものを最後につくる、これをずっと、ことしも来年もその次の年もとやっていくと、これは、トレンドではわかるわけですね、去年に比べて財政状況がどうなったのかということは。ところが、隣の団体と比べることはできない、同じ規模の隣の団体と比較することができないということがございます。
 ですから、今回、二十一年度に、地方公会計を地方団体に要請しているわけです。ちょっと前倒しで、本来なら二十三年度からやる予定だったものを二年間前倒しでお願いして、ちょうど財政健全化とあわせた形で出していただくということなんですが、このポイントは、民間会計を入れるということと、あとは、垂直的な比較だけではなくて水平的な比較ができる、同規模の団体との間の財政状況を比較できるわけであります。それによって、今、我が地方団体の立ち位置はどこにあるのかということがわかるわけで、そういう意味で、このひな形も今合わせておりますので、これもばらばらのひな形では比較のしようもないということでございます。ですから、今回、この垂直的比較、また水平的比較と、縦横で比較するということでやっていただいておりまして、もうひな形もできております。
 このような観点で、これが出てくると、地方団体の皆さんは、みずからの団体以外に、その団体が今おられる全体の中での状況も理解できるということでございますが、そのような状況について、大臣のお考えがもしあればお述べいただきたいと思います。
○鳩山国務大臣  本当に素人で申しわけありません。地方公会計、財務書類四表というのだそうですが、この整備によってストック情報等を正確に把握することが可能となり、先生の御指摘のとおり、ちょうど地方公共団体財政健全化法が施行されますので、その取り組みとあわせて進めていくことが大事なんだろう、こう思っております。
 例えば、その地方公共団体が保有する土地の価格がどうだとか、施設の減価償却費だとか、将来支払う退職金の引当金の額とか、そういうのをストックとかコストという形で見るんだろうと思いますが、私どもとしては、健全化法の取り組みをより実効あるものとするために、財務書類四表を整備するように促して、それぞれの地方公共団体で規律ある財政運営が推進されるように励ましていくわけです。
 現在、各自治体で財務書類四表の導入に向けた準備をしているんだと思いますが、とりわけ中小規模の市町村での整備がおくれている可能性がありますので、作業手順をわかりやすく解説した手引書とかワークシート等を配付して、できるだけ丁寧に対応して、すべての自治体が早期に整備できるように支援をしていきたいと思っております。
○谷口委員  ぜひ一層推進をしていただきますように大臣に申し上げまして、時間が参りましたので、これで終わらせていただきます。