| ○三谷委員 |
まさに今最後にお話しされた取り崩し、繰り戻しについても、恐らく関係ないと思うんですね。特別準備金の積み増しであろうと、新たに創設をしようと、そこにどれだけの意味があるのかと思うんです。 つまり、先ほど来申し上げているように、自己資本比率を上げることが目的なんですから、貸し出しを危機対応業務で拡大することが目的なんですから、今おっしゃられたように、これは危機対応業務のための準備金だよと分ける必要が、どういう意味があるのかということを思うわけです。もっとそれをシンプルに、まさに危機対応業務のために自己資本比率を上げなければいけない、拡大をしなければいけない、ならば一番簡単な方法で特別準備金に積み増せばよいのではなかったかというふうに思います。 このお話ばかりをしてはなりませんので、次のお話に進んでまいりたいと思います。 ちょっとここで、法案提出者の方々は、商工中金完全民営化に向けての見直しではないのかもしれません。議論の土台となることをちょっと確認させていただきます。 まさに二年前に、この株式会社商工中金法が閣法で提出をされて、審議をされて、成立いたしました。そのときに、商工中金における完全民営化とは何か、その審議の際にも、二年前、答弁をいろいろ聞いておりましたら、立場によってまた受けとめ方等が若干違う、明確でないと私には受けとめられたところがございます。 これは法案提出者の皆様にお尋ねをいたします。 商工中金における完全民営化とは何でしょうか、そして、どんな状態のことでありましょうか、定義をしてください。 |
| ○谷口委員 |
お答えさせていただきます。 商工中金の完全民営化とは、それは先生も御存じだと思いますが、政府出資の株をすべて売却するということが完全民営化であります。 私どもも、非常に今危機的な状況でありますから、今回、危機対応準備金を設けるわけでありますけれども、それは完全民営化をやめたわけではなくて、今の状況の中で、最大限、商工中金として公的使命を果たしていただくということでさせていただいておるわけでございます。すなわち、完全民営化とは、政府株を全部売却することであるということであります。 |
| ○三谷委員 |
今の御答弁はよくわかりました。政府出資の株式を売却するということでありますね。 先ほどあのようなお話を申し上げましたのは、これは私自身も質疑の中で聞いたことでありますけれども、その当時、行革推進本部事務局の鈴木審議官をお呼びして、同じお尋ねをいたしました。また、当時の中馬行革大臣のお話、完全民営化とは、会社法を設立の根拠とし、政府の出資がない株式会社とすることだ、こう定義をされました。 当時の甘利経済産業大臣に同じお尋ねをいたしました。あるいは、石毛中小企業庁長官にも同じお尋ねをいたしました。甘利大臣は、根拠法を会社法、規制については銀行法だ、これが土台である、設立の根拠を他の金融機関と共通にする、これをもって完全民営化だ、こう答弁をされました。 もちろん、後でされた話の中に、今のお話のとおり、国が保有している株式は売却、ただし、中小企業向け金融を行うために中小企業組合や構成員に売却をするんですよということ、これをもって完全民営化なのだという定義をされました。石毛長官も同じ定義です。 そこで問題となりますのは、特別準備金の国庫への返納をめぐる考え方でありました。実は、答弁の中では、そのときに答弁されたわけではありませんけれども、財務省ははっきりと、中馬大臣あるいは行革本部の鈴木審議官と同じように、政府の出資金が資本の中に、特別準備金はまさに資本、自己資本でありますので、これは当然完全民営化時には国庫に返納されるものだと。だけれども、経産省ははっきりしておりまして、当時の経済産業大臣も中小企業庁長官も経産省の方々も一致して、それは必要があれば返す必要はない、完全民営化は株式の売却をもって完全民営化なのだというお話でありました。 これは経済産業省に再度確認をいたします。どうでしょうか、今の理解でよろしいんでしょうか。 |
| ○長谷川政府参考人 |
お答え申し上げます。 今、二年前の審議につきまして先生から御紹介がございました。特別準備金、商工中金の資本の一部でございます。ただ、あのときの御議論、政府側からの御答弁も差し上げたと思いますけれども、株式と準備金ではやはり性格が違うといいますか、すなわち、先ほどお話がございましたように、政府が株式をすべて放出する、そして受け手は中小企業者が基本だ、こういうような考え方というのは、当時も基本でございますし、今もそれは変更がないというふうに申し上げたいと思います。 そして、現行法上、特別準備金は、商工中金があくまでも自主的に判断をした上で、それで国庫納付や清算がない限り存続するということになっております。そして、完全民営化後はどうかというお話でございますけれども、当時の大臣から御答弁があった、逐一は正確じゃないかもしれませんが、基本は、商工中金が自分の判断で、そして仕事をする上で十分な資本基盤を確保するということでございますので、この点につきましても、完全民営化後も財務基盤が十分確保されるまでの間、特別準備金は維持されるべきものというふうに考えております。 そして、二年前の法案審議に当たりまして、本委員会で御党の賛成も得て決議されました附帯決議におきましても同種の指摘をいただいておりますので、その趣旨を踏まえまして対応する考えでございます。 |
| ○三谷委員 |
今のお話も明快なお話でありました。 特別準備金の問題というのは大変大事な問題だと思うんです。このとき、この審議をした際に、甘利大臣はここまで言われました、完全民営化の時点において、商工中金の金融機能が引き続き維持されるような必要な措置をとるということになっておりますと。完全民営化時点で必要な措置をとる、機能が十分に発揮できるように、目的が果たされるように必要な措置をとる、その中にこの特別準備金の維持というものが入っているんだとまでおっしゃられた。 だけれども、さっきも財務省のお話を申し上げたのは、これは明確に財務省はレクの中ではお話をされました。そして、その必要な措置を盛り込むのはだれなのか。主務大臣は経産大臣だけではないんですね。財務大臣と経産大臣、二人なんです。 だから、これは法案提出者の皆様、これも与党、そして政府を代表してここに答弁をされているものと考えますので、もう一回、主務大臣が二人いて、そのときの財務省の受け取り方、考え方、これは明らかに違っておったのです。額賀元財務大臣もいらっしゃいますし。これはどうでしょうか。先ほど紹介をいたしました甘利大臣や当時の石毛長官、あるいは今の長谷川長官のお話でいいのかどうなのか。もう一回、確認のために御答弁をお願いいたします。 |
| ○谷口委員 |
今先生が、先ほどの質問にもありましたが、特別準備金と危機対応準備金の違いはどうなんだといったところからちょっとお話をさせていただきたいと思います。 基本的には、百年に一度という大変な不況が今襲っておりますから、そのために、非常にリスクの大きい融資を商工中金がやっておるわけであります。そのようなことで、非常にハイリスクで収益が少ない。それで、自己資本比率を維持するために今回危機対応準備金をつくったわけでありますが、これは先ほど加藤議員の方からもお話をされましたが、いわば資本に一番近いもの、拘束力が非常に強いものというような判断でやっておりまして、そういう意味では、今、資本金、危機対応準備金、また特別準備金というような拘束性の度合いになるんだろうと思うわけでございます。 そういうような危機対応準備金を今回積んだわけでありますが、今おっしゃった、この危機対応準備金も国庫に返還されるのかどうかということです。国庫に返還されるということは、この危機対応準備金そのものが、自己資本比率をふやしていかなければなりませんので、しかし一方で、資本に組み入れるというとダイリューションの問題がありますから、今回、危機対応準備金という形にしたわけでありますけれども、この返還ということになりますと、ティア1になるかどうかということになります。このティア1になるかどうかという判断のときに、これは永続性があるかとか、一般の損失をこれによっててん補できるのかどうか、こういう判断があるわけであります。そういうことで、今回、危機対応準備金は返還請求権をつけておりません。 また、商工中金が、今起こっておるような混乱状態がおさまって、危機対応準備金を今積んだ状況が解消したといったような場合には、期間を決めておらない、要するに、商工中金が主体的に決めて国庫に返還するという意味での任意性がここにつけられておるということであります。 |
| ○三谷委員 |
最初のお話でも、特別準備金も危機対応準備金もそう変わらないというお話を申し上げました。 今、谷口議員から御説明がありましたので、大変わかりづらいところもございます。答えとしては今お話しされたとおりだし、私は、特別準備金も、あるいは、わかりやすいのは、危機対応準備金も、あえてなかなかと言います、なかなか国庫に返すというようなことにはならないんだろうというふうに思うんです。 この国庫納付について、これは危機対応準備金です、商工中金が危機対応業務の円滑な実施のために必要な財務基盤が十分確保されるに至ったと認める場合、国庫納付することができる、こう規定されているんですね、できると。 あわせて、これは経産省がつくられた、出回っておる概要でありますけれども、危機対応準備金、その創設、その中に、自己資本性を確保するため、危機対応準備金の国庫納付を行うのは、危機対応業務の実施に必要な財務基盤が確保されたと商工中金が認める場合ですね。 普通に考えたらこれは危機対応業務であろうと、一年、二年の、それは今危機だから、借り手の方としては、今貸してください、こういう話になりますけれども、むしろ、実際の債務は、一年あるいは二年、三年のローンじゃなくて、五年、七年の、これは例は違いますけれども、政投銀でいえば、例えばJALとかANAとかといったら、随分以前のオイルショック時の危機対応業務のときの債務がまだ残っているように、あるいは、商工中金の場合は相手が中小・小規模企業でありますから、根雪のようになったりもいたしますから、そんなに簡単に財政基盤が整うというようなことはないと思います。 ならば、まさに今読みましたとおり、返さなくても、返さなくてもいいと言ったら語弊がございます、商工中金が財務基盤が確保されたと認めなければ、逆さまに読めば、この危機対応準備金も国庫に返納をしなくてもよいわけですね。やはりそれは残るということになるんだと思うんです。それで私はいいんだというふうにも思います。 そしてもう一つ、今度は話題をかえまして、これは、ある意味、この改正案の中の一番肝の部分、商工中金完全民営化の見直しという意味では肝の話にはなっていないのですけれども、三年半、起算点を延期するというお話です。延期をすることはよかったのだと私は思います。私は、最初に申し上げたとおり、見直しをしなさい、こうずっと訴えておるわけですから。 ただ、この中で、平成二十年十月一日を起算点にして、おおむね五年から七年を目途に政府保有株式の完全売却だ、これを二十四年四月一日まで延期する。二十四年四月まで延期をして、平成二十三年度末までに、危機対応業務の実施状況、社会経済情勢を踏まえて、危機対応業務のあり方やあるいは完全民営化の時期についてもう一回検討して、必要な措置を講じるというお話にこの法案はなっているんですね。 手をこまねいて、一番肝心かなめのことを、平成二十四年四月一日、平成二十三年度末、ほとんど一緒ですね、どうなんでしょうか、そこまで、本当にこの言葉どおりに、例えば、株を少しでも売っていなさいよとか、あるいはもう売らなくてもいいよとか、そういう方向づけもない。つまり、書かれていることは、二十三年度末までに答えを出しましょう、こう書かれているだけであります。だけれども、そんなはずはないと思うんです。 だから、例えば、株の売却をどうするとか、あるいは、限度はここまでだけれども、この一年以内には、このこと、このこと、このことについては答えを出しますよとか、もっと言ったら、今ここである程度の答えを出さなければいけないと思うんですね。そのことを最初に私は申し上げたつもりなんです。 どうなんでしょうか、今の方向でも構いません、例えば、株の売却をどうするつもりであるとか、あるいはその時期をまた再延長する考えがあるかとか、あるいは、一番は、完全民営化を、それはやはりよくないと。それは一に、商工中金をどうする、どういうバンクにするのかということにかかっていると思うんです。まさに危機対応業務はその肝ですから、危機対応業務をどうするのかということにもかかっていると思うんですね。移行期において、完全民営化時点において、指定機関の位置づけも違うわけですから。 そういう話はなかったんでしょうか。答えられるだけで結構でありますので、お答えください。 |
| ○谷口委員 | 先生おっしゃったように、三年半延ばしたわけでありますね。三年半延ばしたのは、大変な経済危機がありましたから、全治三年ということで、三年半延ばしてやったんですが、商工中金においては、完全民営化を進めるという方向は一切変わっておりません。その後、おおむね五年から七年かけて完全売却を行うという方向でいっているというような方向は変わっておらないということであります。 |
| ○三谷委員 | 完全民営化を、では本当に言葉どおり三年半先送りをした、ただそれだけのお話ということに今のお話はなるんでしょうか。完全民営化は変わっていない。つまり売却をやはり進めていくんだ、ならば、三年半延期をするけれども、少しずつ売っていくわけですか。どうなんでしょうか、それは。 |
| ○谷口委員 |
先ほど申し上げましたように、三年半は危機対応準備金を積んで、商工中金に公的な使命を果たしていただかなければなりません。ハイリスクの融資がありますし、収益的にも非常に利ざやが少ないわけであります。 まさに、そういうような状況の中で、今回危機対応準備金を入れて、自己資本比率を維持し、三年半待った中で、おおむね五年から七年かけて政府株式を売却するというような方向であります。 |
| ○三谷委員 |
わかりました。 これはもう言いっ放しのお話です。完全民営化にこだわる必要はないんじゃないかというふうに私は思います。まさに路線の変更が必要だというふうに思います。そうやって危機対応準備金を積んで、何かちょっと場当たり的にできるようにするというのではなくて、先ほども申し上げたように、どういうバンクにするのがいいのかということを議論して答えを出さなければいけないのだと思うんです。それは私の今の考えであります。 何か。 |
| ○谷口委員 | それは全く私も同じで、先生がおっしゃるように、フルバンク機能を今度つけていかなきゃならないと。今、預金も制約されていますし、員外貸し付けも制限されておるわけでありますので、商工中金を利用されている皆様に、銀行として、メーンバンクとして十分この機能が発揮できるような状況に持っていかなければならない、このように考えております。 |
| ○中野(正)議員 |
三谷委員の御指摘の点は十二分に承知はいたしておりますけれども、御存じをいただきますように、政策金融のあり方をめぐりましては、正直いろいろな議論があるところであります。御党の中にもあるかもしれない、我が党の中にもいろいろあることも事実ではあります。 ただ、いずれにしても、私たちはフルバンキングの機能ということで、今、商工中金の利用の会社が二万一千社、それぞれの支店のもとで、商工中金の会というんでしょうか、顧客さんのグループをつくっておりまして、大変好評をいただいております。その方々のお話を聞きますと、商工中金は非常に解析力、分析力にすぐれている、そして、三年先、五年先、十年先を見据えながら、いろいろ金融を含めた指導もしていただいている、むしろ商工中金をメーンバンクにしたいぐらいだ、こういう気持ちを持っていられる企業がこのごろ本当に多くなったなということを実感いたしておるところであります。 ただ、方針がえ、宗旨がえということもありましたけれども、去年の十月にスタートいたしましてまだ八カ月というときに完全民営化の方針を覆すということがありましては、民主党さんも賛成した、我々与党も賛成してつくり上げられたわけでありますから、その辺は、今の経済危機を突破するということと、今後の組織をどうするか、民営化を含めてそれをどうするかという議論は、また次の議論にしていただきたい。とりあえずは、まずこの危機対応業務をしっかりやっていきましょう、こう申し上げたいところであります。 |
| ○三谷委員 |
わかりました。 これはもう言いっ放しのお話です。完全民営化にこだわる必要はないんじゃないかというふうに私は思います。まさに路線の変更が必要だというふうに思います。そうやって危機対応準備金を積んで、何かちょっと場当たり的にできるようにするというのではなくて、先ほども申し上げたように、どういうバンクにするのがいいのかということを議論して答えを出さなければいけないのだと思うんです。それは私の今の考えであります。 何か。 |
| ○大島(敦)委員 |
今の答弁を伺いますと、指定金融機関、本来であれば、効率的な政府をつくる目的としては、一般の、普通の銀行が指定金融機関になるのがいいんだけれども、なかなか機能しないんじゃないかという政府の思いもあって、商工中金と日本政策投資銀行をあらかじめ指定されたという答弁だと伺っておりまして、本音かなと思っております。 それで、今回、僕は、これまでの危機対応業務と大危機対応業務にわかりやすく言うと二つ、今回の法案は、今までの危機対応業務を超えた緊急危機対応業務か、あるいは巨大危機対応業務かなと思っておりまして、確認したいんですけれども、先ほど三谷さん御指摘あったとおり、これは緊急準備金ですか。一千五百億円を積まれて、どのくらいの貸出枠がふえるかについてちょっと確認させてください。難しい話じゃないと思います。 |
| ○谷口委員 | 二十年度の補正で一兆二千億円、今回は三兆円ふえましたよね。その三兆円ふえたものを、リスクアセットの計算、BIS基準でやった結果、四兆二千億が一兆八千七百億になる。それの八%が国際基準ですから、八%でやって一千五百億円という形で出てきたものでございますので、御理解いただきたいと思います。 |
| ○大島(敦)委員 |
今回、この制度の中で、一千五百億円を元にして貸し出しをふやされるというお話なんですけれども、今までの危機対応業務を超えた緊急危機、あるいはさらに危機のある対応業務ですから、デフォルト率あるいは回収できない金額が相当ふえるおそれもあるかなと思うんですよ。 今、BIS規格で、八%を守る、それで一千五百億円を入れて、これだけの貸出枠が想定される。しかしながら、今想定されている、要は貸し出しの金額あるいは回収できない金額をさらに超えた、回収できない、想定値を超えた場合には、今持っている商工中金の商工債の格付が下がったり、あるいは、一株当たり三円か配当しているかと思うんですけれども、配当も金額が下がってくるおそれも多分にあると思うんです。なかなか難しい局面を、今商工中金さんは、今回の一千五百億円を元に運営、経営されるかなと思っております。 ですから、通常ですと、三谷さんおっしゃっていたとおり、政府提案の方が無難なわけですよ。法案の提出者の皆さんは、今回の法案を提出したということで名前が残ってしまうわけですよ。うまくいって、危機対応業務が過ぎたときにはよかったねということになりますし、もしも毀損して商工債の格付が下がったり、あるいは配当できない場合には、今回の法律を議員立法で行うということは、相当覚悟を持つ法案かなと自分は思っているんです。 だから、その点について、そういうリスクがあると私は思うんですけれども、そのリスクについてのお考えを伺わせていただければなと思うんです。どうでしょうか。 |