第171国会

本会議

○副議長(横路孝弘君)  谷口隆義君。
○谷口委員  公明党の谷口隆義でございます。
 私は、自由民主党と公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました平成二十一年度地方財政計画、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、鳩山総務大臣に質問をさせていただきたいと思います。(拍手)  大恐慌の再来さえ感じさせるような、世界的な金融危機でございます。このような危機に伴いまして、我が国の経済も、かつてない景気後退に直面をしておるわけでございます。昨年九月以降、輸出も鉱工業生産も垂直落下状態となっております。景気の後退による経済と雇用への打撃は、全国どの地域においても見られますが、特に、従来から経済が疲弊をしておりました地域において、より深刻になっております。
 このような、かつてないピンチのときこそ、危機的状況をチャンスに変える発想が必要であり、地方の底力を発揮できるよう、地方が自由に使える財源を確保することが必要であります。
 そのために、政府としても、地方と一体となって、地域の危機的状況を克服するためにも、何としても、一刻も早く万全の措置を講ずるべきであります。
 今回の地方税法及び地方交付税法の改正案では、これまで政府・与党一体となって検討してまいりました経済・雇用対策に基づきまして、地方を元気にとの観点から、充実した支援策が盛り込まれていると考えておりますが、その内容について質問をさせていただきたいと思います。
 最初に、今回の地方税制改正の内容と地方分権時代にふさわしい地方税改革の方向性について、総務大臣にお尋ねをいたします。
 先ほど述べましたとおり、現在の景気は非常に厳しく、雇用状況の悪化を含め、地域経済への影響は日を追うごとに深刻となっております。
 このように景気が急速に悪化する中で、今回の地方税制改正につきましては、国民生活、特に景気や環境に配慮した改正となっておりますが、今回の地方税制改正が国民の皆様にとってどのような恩恵が及ぶのか、わかりやすい御説明を総務大臣に求めます。
 地方税のあり方について考える場合に、地方分権の観点を踏まえる必要があることは論をまちません。
 麻生総理は、日本は時代の変化を乗り越え、その目指すべき社会を、世界に類を見ない高齢化を社会全体で支え合いながら、世界的な課題を創意工夫と技術で克服する、安心と活力ある社会と位置づけられたわけであります。地域の安心と活力なくして国家の安心と活力がないことは、当然のことであります。このような地域の安心と活力こそ、今まさに求められているものであり、与野党問わず、この認識は一致するものと信じておるわけであります。
 地域の安心と活力を高めていくためには、それぞれの地域が、その地域の実情に応じた施策を展開することが必要不可欠であり、そのためには、裏づけとなる権限と税財源を確保することが極めて重要であります。
 そこで、地方分権時代にふさわしい地方税体系を今後どのように構築していくのか、総務大臣の御見解をお伺いいたします。
 次に、地方財政についてお尋ねをいたします。
 まず、地方交付税の総額確保であります。
 以前行われた三位一体の改革におきましては、平成十六年から十八年までで実質的な地方交付税が約五・一兆円減少しておるわけであります。先ほど鳩山総務大臣の方からこれについて言及されたわけでありますが、国と地方の財政の健全化のためには避けて通れない改革であったとは思いますが、余りにも急激で、特に小さな規模の地方自治体からは悲鳴にも近い声が上がっていたのも事実であります。
 平成二十一年度におきましては、地方財政の窮状を踏まえてどのような対策を講じたのでありましょうか。総務大臣にお伺いをいたしたいと思います。
 また、急速に悪化している雇用情勢等に早急に対応するようにと公明党として従来から主張してまいりましたが、このたび、生活防衛のための緊急対策に基づき、来年度の地方交付税におきましては、特別枠として五千億円の地域雇用創出推進費を設けられることになったわけであります。雇用に着目して地方交付税を増額することは過去に例のない取り組みであると考えますが、総務大臣に、この地域雇用創出推進費を設けた基本的な考え方をお伺いいたしたいと思います。
 次に、地方公共団体金融機構についてお伺いをいたします。
 昨年十月に決定をされました生活対策の中の地方公共団体支援策により創設をされたものでありますが、地方自治体にとっては大きな意義を持つものであります。今回の金融機構は、一般会計にも長期、短期の資金を融通するということになったわけでありますが、これは地方の長年の念願であり、今日の金融市場の大混乱の中、地方の資金調達の不安を解決する極めて時宜を得た施策であると考えられます。
 そこで、改めて、現行の地方公営企業等金融機構の仕組みを見直しして、地方公共団体金融機構とする趣旨について、総務大臣にお伺いをいたします。
 さらに、平成二十一年度より地方公共団体財政健全化法が全面施行されるわけでありますが、この中で、第三セクター、また地方公社、地方公営企業の経営の問題についても積極的な対応が求められております。
 第三セクターなどの整理合理化は、以前より指摘をされてまいりましたが、実質的な改革はなかなか難しいといったような実情があったわけであります。そのような中、今回の法案では、改革に必要な資金を手当てするため、新しく地方債の特例を設けることとされておりますが、今後の第三セクター等の抜本的な改革の進め方についてはどのようにお考えなのか、総務大臣にお伺いをいたします。
 また、地方公共団体財政健全化法に呼応いたしまして、各自治体に、民間会計を反映した地方公会計を要請されておるわけであります。これは連結ベースになっておりまして、ディスクロージャーの観点からも、財政健全化法と相まって、自治体の財政健全化、透明化に資するということになると考えられます。総務大臣の所見をお伺いいたします。
 最後になりますが、麻生総理初め政府が一体となって、なりふり構わず全力で尽力し、この経済の難局を乗り切っていくために、全国の地方自治体と住民の方々の理解を得て、それにより、地域の雇用を守り、地域経済の振興に取り組むことが何よりも肝要であります。
 今現在、まだ二次補正予算の関連法案も成立しておりません。このような二次補正予算の関連法案を成立させ、今回議題となっておりますこの法案を一刻も早く成立させ、各地域での取り組みが、その基盤を支えるこれらの法改正により、大きな成果を上げることを期待いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
  〔国務大臣鳩山邦夫君登壇〕
○国務大臣(鳩山邦夫君)  谷口先生からの質問にお答えしてまいります。
 まず、地方税制改正の内容についてお尋ねがありました。
 今回の地方税制改正においては、現下の経済情勢を踏まえて、個人住民税における住宅ローン特別控除の創設、ハイブリッド車など環境への負荷の少ない新車に係る自動車取得税の軽減措置、これは、自動車取得税が四千億ぐらいのうちで千三百億ぐらいが減税になるわけですから、相当なものだと思います。そうしたことなど、景気や環境に配慮した減税措置を講ずることとしております。
 地方税改革の方向性についてのお尋ねがありました。
 地方分権を推進するためには、地方が、みずからの支出をみずからの権限、責任、財源で賄う割合をふやしていくことが重要でございます。税制抜本改革や地方分権改革を通じて税源配分の見直しを行い、まずは、国と地方の税収比一対一を目指して、地方税の充実を図ってまいりたいと思っております。これは、中期プログラムの中で地方消費税等の増額を図っていきたいとも考えております。
 その際には、地方分権の推進と、国、地方を通じた社会保障制度の安定財源確保の観点から、地方消費税の充実を図るなど、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系を構築することが重要かと思います。
 地方交付税の総額確保についてのお尋ねがありました。
 地方公共団体が雇用創出あるいは地域の元気回復に向けた取り組みを積極的に行うことができるように、地方財源の充実確保に取り組んでまいります。
 平成二十一年度においては、極めて厳しい地方財政の状況を踏まえ、既定の加算とは別枠で地方交付税を一兆円増額して、国税五税の大幅な減収の中で、前年度を四千百億円上回る十五兆八千二百億円を確保することができたのでございます。これに臨時財政対策債を含めた実質的な地方交付税は、前年度を、前年度というのは今の二十年度のことですが、二十年度を二兆七千三百億円上回る二十兆九千七百億円を確保したところでございます。
 地域雇用創出推進費を設けた基本的な考え方についてのお尋ねでございます。
 百年に一度と言われる経済危機の中で雇用情勢が悪化をしてきた。国民生活の不安を解消し、地域の雇用を守らなければならないという中で、総理の特別の決断もあって、一兆円別枠で地方交付税を増額いたしました。その半分の五千億円は、二十一年度、二十二年度と二年間、雇用創出の特別枠、地域雇用創出推進費としたところでございまして、この五千億は、都道府県に二千五百億円、市町村に二千五百億円、先ほども御答弁申し上げましたが、条件不利なところ、例えば有効求人倍率が低いところ、そうしたところにより多くのお金が行くように工夫をいたしておるところでございます。そういう形で、地方公共団体がみずからの創意と工夫によって積極的に取り組んでくださることを望んでおります。
 次に、地方公営企業等金融機構を改組して地方公共団体金融機構とする趣旨についてのお尋ねがございました。
 これはもともと公営企業金融公庫と呼ばれておったものでございます。これが、公営企業ではなくて、一般会計にも貸し付けることができるようにするためには、仕組みを変えなければなりません。それが新しい組織への生まれ変わりであり、名称の変更でもございます。この一般会計への貸し付けを可能にするということは、地方公共団体にとっては大変大きな意味を持つものと考え、地方公共団体が長年要望されてきた懸案がやっと実ったということでございます。
 第三セクター等の抜本的な改革の進め方についてお尋ねがありました。
 第三セクターの抜本的改革については、先送りをすることなく、早期に取り組んで、将来的な財政負担の明確化と計画的な削減に取り組むことが極めて重要だと思っております。そのため、第三セクター等の抜本的改革に伴って必要となる一定の経費に充てるための地方債の特例を創設したい、そのような所要の改正法律案を提出したところでございます。今までは第三セクターに充てる地方債はなかったわけで、その特例をこれから設けようというものでございます。
 地方公共団体財政健全化法が平成二十一年度から全面施行されますと、第三セクターについてもさまざまな基準が当てはまっていくようになりますので、第三セクターの改革は集中的にやっていただけるよう地方公共団体に要請してまいります。
 それから、谷口先生が大変専門としておられます公会計の整備についてのお尋ねがありました。
 公会計では、いわゆるフロー、現金主義ではとらえられないストック情報等が把握できるために、今申し上げました地方公共団体財政健全化法の取り組みとあわせて進めることで、地方公共団体の財務会計の透明性の一段の向上につながると考えております。
 例えば、地方公共団体が保有する土地の価格等ストック情報が使われるようになる、あるいは、施設の減価償却費とか将来支払う退職手当の引当金等が計算に入っていくことが極めて重要であると思っております。
 総合的な財政健全化に向けた対策が可能となり、規律ある財政運営の実現に資することになると考えておりますので、公会計の整備は進めていきたいと思っております。
 以上でございます。(拍手)