〜出版のご案内〜

 
このたび、拙著『戦略的金融システムの構築』を出版することになりました。
金融機関の不良債権処理が構造改革の最大の眼目とされ、短期集中処理に目が注がれていますが、その後の状況、すなわち金融システムの目指すべき方向についての議論がないため、対症療法に終始していると言わざるを得ません。
本書においては、現行システムの問題点を指摘し、総合戦略としてこれからの進むべき金融システムの姿に言及しています。これらは私にとって長年の懸案事項でしたので、このたびの出版を大変嬉しく思っており、またお読みいただいた方には、ぜひご意見など頂戴できれば幸いです。

▼本書「はじめに」より▼

現在の日本の金融システムの問題点は、さまざまに指摘されてきた。
しかし、問題に対応して部分部分を改善していく手法では、ともすればこれまでの流れにとらわれてしまう。いま必要なのは、あるべき姿を全体像としてできるだけ具体的に描き、日々の対応においても、できるだけそれに近づけることができるように選択を行っていくことではな いか。いままさに対症療法から総合戦略への転換が求められている。
(中略)私は本書において、金融機関、市場、家計、企業にとって、現状何が課題なのかを理解し、その分析をもとに新しい金融システムの青写真を具体的に描くことを試みた。そして、その新しい金融システム像が、経済や社会のあり方とどうかかわっていくのかを提示しようと試みた。もとより金融と経済の全体にわたる設計図の構築は容易 なことではない。この試みが契機となって、あるべき金融システムに向けた総合戦略の議論が活発になされるようになることが、私の願いだ。先送りの90年代から先取りの2000年代への転換は、そうした知的営為なしには始まらない。

主 要 目 次
第1部 金融サービスの提供者はなぜ変わらなければならないのか

第1章 リスクの評価、管理、分担のできる銀行に向けて
  1 時代の変化に対応した経営戦略を
  2 銀行中心のシステムをどう変えるか
  3 大口事業金融で銀行が果たすべき機能

第2章 信頼される証券市場と証券会社に向けて
  1 株価の低迷
  2 株式市場の課題
  3 証券会社の課題
  4 望ましい直接金融を目指して

第3章 市場と共存して制作を生かす公的金融に向けて
  1 新たな金融システムのなかでの公的金融
  2 郵便貯金
  3 政府系金融機関

第2部 金融サービスの利用者の側からみた課題

第4章 家計からみた課題
  1 家計に置かれた状況
  2 家計からみた金融システムのあるべき姿
  3 セーフティネットの整備

第5章 企業からみた課題
  1 企業の現状と課題
  2 コーポレート・ガバナンス

第3部 新しい金融システムと実体経済について
     〜国際金融・国家戦略を念頭に置いて〜


第6章 金融システムの構造改革と実体経済
  1 金融と経済
  2 金融と経済の構造改革

第7章 今後の金融システムのあるべき姿と金融をめぐる国家戦略の提言
  1 「業態」を超えて
  2 東京、大阪が世界の金融センター、情報センターとなるために
  3 新しい国際金融秩序の構築

※お問い合わせ
  株式会社 きんざい  TEL:03(3358)2891(直通)
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